自己修復中のたわごと

日々食べたものの記録と雑感など

門前仲町 だるま

ジャポネを出た後、地下鉄に乗って門前仲町へ。
向かうは何年も前からの課題店で下町大衆酒場の人気店「だるま」だ。

門前仲町に来たのは10年ぶりくらい。
大通りを一本外れると下町っぽさが残っている非常に気持ちのいい町だ。
店は駅から地上に出てほんの2~3分の距離で、すぐに発見することができた。

事前に聞いていた情報では活気のある店内だということだったが、夕方早い時間だったため、先客は3人のみで店内はとても静かだった。
この時間はご主人夫婦と厨房の男性の3人で店を切り盛りされており、話に聞く美人姉妹の姿はない。

カウンターに陣取り、まずは生ビールとこの店名物の「まぐろぶつ」を所望。
この店ではオーダーを通す時に厨房内に「○○一発!」とコールする風習なのだが、まだ客も少なく場が暖まってないのか、この時点では一発のコールは聞けなかった。

ビールは凍らせたジョッキではなく、洗って常温で置かれているジョッキに入れてくれるのだが、こういう店ではそのほうがあざとくなくて気持ちがいい。
まぐろぶつは驚くほどの鮮度のまぐろではないけど、量もたっぷりで食いでがある。
カウンターにはありとあらゆる調味料が置かれており、客が好きなものを使うことが出来るようになっている。

店内の壁には、マイルス・デイヴィスを中心としたジャズのポスターがたくさん飾られており、店の入り口脇にはCDプレーヤーが置かれていて、その横の状差しにたくさんのCDが無造作に突っ込まれている。
そして店のご主人(たぶん還暦をとうに越えておられると思う)が、ちょこちょこ変えるCDからの音楽が静かに店内に満ちている。

ご主人のかけられるジャズはビッグバンドあり、スゥィングあり、ボーカルあり、とバラエティに富んでいて、ご主人が聞きたい曲をその都度CDを換えてかけているようだった。
そしてそのご主人は、ときたまCDを換えながら店の入り口に向かって立ち、通りがかる近所の人に挨拶したり、バリバリの東京弁で二言三言世間話をしたりとのんびりと時間を過ごしている。

私はといえば、同じようにご主人チョイスのジャズを聴きながら、ご主人の背中を見つつぼんやり過ごす。
そして生ビールも飲みつくしたので「チューハイ」と「イカフライ」を追加でオーダー。
厨房内の奥さんの仕事を見ていると、ブロックの氷(たぶん昔ながらに氷屋さんが配達しにくるんだろう)をアイスピックで崩し、少し水を通して角を取り、それから焼酎と炭酸を入れるという手間を惜しまないチューハイを作ってくれた。
たくさんの焼酎に少しの強い炭酸を入れる、下町チューハイのスタンダードな形だ。

この店のチューハイはプレーンで出てくるようで、客はカウンター上に並べられているレモンやライムシロップを好きに入れて飲むのが流儀と見て取った。
シロップを入れすぎてレモンの強いチューハイを飲まずにすむのでありがたい。

ぼんやり45分ほどを店内で過ごして、お会計をしてもらうと上記4品で\2,200。
確かに立ち飲みと比べると若干高めだし、一品のボリュームは多めなので一人飲みにはあまり適してない店なのかも知れない。
それに、コアタイムに入って盛況になってからの方が、この店は本来の魅力を発揮するのだろう。

だけど、私にとっては何よりもご主人が魅力的だ。
過去には苦労もされたのかもしれないけど、好きなジャズを聴きながら夕暮れを過ごしている今のご主人の背中からは、揺るぎない満足と平和が見て取れる。

心の琴線をかきむしられながら店を出ると、ご主人が笑って迎え出してくれた。
本当にいい店にめぐり合えた。次回も早い時間に来てこの平和な時間に身を浸そう。





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